今日からは、行政法の学習において避けては通れない重要テーマ「行政裁量(ぎょうせいさいりょう)」について学んでいきます。
行政裁量とは、一言で言えば「法律がすべてを細かく決めず、行政庁に判断の幅(

今日は、行政が国民の期待を裏切ってはいけないというルール、「信頼保護原則(しんらいほごげんそく)」について整理しました。
行政が「これはOKですよ」と言ったので、国民がそれを信じてお金を使い、準備を進めたとします。その後、行政が急に「やっぱりダメでした」と態度を変えるのは、あまりに不公平です。このような場合に、国民の「信頼」を保護して行政の勝手な変更を制限するのがこの原則です。
ただ「信じていた」だけでは足りません。裁判所は通常、以下の要素をチェックします。
信頼保護は強力ですが、万能ではありません。
もし「過去の誤った運用」をいつまでも守り続けると、今度は「正しい法律の執行(公益)」ができなくなってしまいます。
「国民の信頼」vs「正しい行政の実現」を天秤にかけ、どちらが重いかを判断するのが裁量統制の難しいところです。
「この事業には補助金が出ます」と言われて投資したのに、後から「基準が変わったので出しません」と言われるようなケースです。合理的な理由や経過措置(クッション期間)がない急な変更は、裁量権の濫用とされる可能性が高まります。