1月11日 不法行為法⑤ 損害の基本構造(差額説・逸失利益・慰謝料)

1月11日 不法行為法⑤ 損害の基本構造(差額説・逸失利益・慰謝料)

不法行為法シリーズも佳境に入ってきました!今日は、不法行為が成立したその先に待っている「損害」というテーマを整理しました。


故意・過失があって、違法性も認められ、因果関係もバッチリ……。そこまで論理を組み立てても、最後に「損害」をしっかり書けないと、試験では点数が伸びません。今日は、実務でも非常に重要になる損害の考え方の基礎を固めました。


損害の本質は「差額」にある


法律の世界で「損害」をどう捉えるか。その中心にあるのが「差額説」という考え方です。


これは、「不法行為がなかったと仮定した場合の財産状態」と、「不法行為が起きてしまった現在の財産状態」との差を損害とみなす、という考え方です。




「もしあの事故が起きなければ、今頃自分の手元にはこれくらいのお金があったはずだ」という理想と現実のギャップを埋めるのが、損害賠償の役割なんですね。こう考えると、損害という概念がすごくスッキリ理解できました。


絶対に外せない「損害の3つの型」


損害の内容は、大きく分けて3つのカテゴリーに分類されます。答案でもここを意識して書き分けるのがポイントだと感じました。





  • 積極損害:不法行為によって、実際に財布から出ていくことになったお金のこと。(例:病院の治療費、車の修理費、入院費など)

  • 消極損害(逸失利益):不法行為がなければ得られたはずなのに、得られなくなってしまった利益のこと。(例:怪我で働けなくなった期間の給料、将来得られたはずの収入など)

  • 慰謝料:精神的な苦痛に対する賠償のこと。目に見えない損害ですが、裁判などでは非常に大きなウェイトを占めます。


特に「消極損害(逸失利益)」の計算は、行政書士試験でも人身損害の事例などで頻繁に登場します。「もし健康だったら……」という視点で考えるこの分野は、法的な思考力が試されている気がして気が抜けません。


今日のまとめとこれからの視点


今日は知識を整理しながら、「損害をどうカテゴリー分けするか」という地図を頭の中に描きました。人身損害は特に試験でも頻出ですし、ここでの整理が、後の「損害賠償額の算定」や「過失相殺」といった応用論点に繋がっていくはずです。



  • 損害は「差額説」で考える(理想と現実の差)。

  • 「積極・消極・慰謝料」の3つの型を常に意識する。

  • 特に「逸失利益」は、人身事故の事例で重要になる。


一歩ずつ、不法行為法のパズルが埋まっていく感覚が楽しいです。明日は、これまでの知識を総動員して、被害者側にも落ち度があった場合にどう調整するかという「過失相殺」について学ぼうと思います!


今日もお疲れさまでした!