1月7日 不法行為法① まずは709条が何をしている条文か整理する

1月7日 不法行為法① まずは709条が何をしている条文か整理する

【1月7日】不法行為法の全体像|まずは「709条が何をしている条文か」を掴む


あけましておめでとうございます!……と言うには少し日が経ってしまいましたが、今日からいよいよ本格的に不法行為法のシリーズに突入します。


不法行為法って、学習が進むにつれて「条文が多い」「責任の種類が多すぎる」「判例がごちゃごちゃして整理がつかない」という印象を持たれがちですよね。僕も最初はそうでした。でも、実は一本の大きな「軸」を理解してしまえば、構造はかなりシンプルなんです。今日はその全体マップを整理してみました。


不法行為法のど真ん中は民法709条


まず、不法行為法のすべての中心にあるのが民法709条です。


故意又は過失により他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。


この条文、一見難しく聞こえますが、言っていることはすごく単純です。「悪いことをして他人に損害を与えたなら、その損害をきっちりお金で解決しなさい」という、社会生活における当たり前のルールを法律の言葉にしただけなんですよね。




709条が要求している「4つの要素」


不法行為が成立するためには、基本的に次の4つの要件がすべて揃う必要があります。試験でも記述式でも、不法行為と聞いたらまずこの4点が反射的に頭に浮かぶようにしたいところです。



  • 故意または過失:わざと、あるいは不注意でやってしまったこと。

  • 権利・法律上保護される利益の侵害:相手の権利を傷つけたこと。

  • 損害の発生:具体的なマイナス(損害)が出ていること。

  • 因果関係:その行為があったからこそ、その損害が出たと言えること。


逆に言えば、この4つのうち1つでも欠ければ、原則として不法行為は成立しません。


不法行為法は「例外の集合体」


ここが今日一番の発見だったのですが、不法行為法は「709条を基本にして、そこから例外が枝分かれしている構造」になっています。


世の中には、709条の「悪いことをした人が責任を負う」という原則だけでは、被害者を十分に救済できない場面がたくさんあります。それを補うのが、いわゆる「特殊不法行為」です。





  • 未成年者が起こした事故:714条(監督義務者責任)

  • 会社の従業員が起こした事故:715条(使用者責任)

  • 建物の欠陥による事故:717条(土地工作物責任)

  • ペットによる事故:718条(動物占有者責任)

  • 複数人で加担した事故:719条(共同不法行為)


これらはすべて、「被害者を守るために、責任を負う範囲を広げたり、条件を変えたりしている例外ルール」です。まず709条を考え、それで足りなければ特殊な条文を検討する。この思考順序が、不法行為法を攻略する鍵になりそうです。


「誰が責任を負うのか」が最大のテーマ


不法行為法を勉強していて思うのは、結局のところ「誰が、どこまで責任を負うのか」という一点に集約されるということです。本人なのか、親なのか、それとも雇っている会社なのか。判例も条文も、最終的にはこの「責任の帰属」をはっきりさせるために存在しています。


今日のまとめ(1月7日)



  • 不法行為法の中心は民法709条

  • 成立要件は「故意過失・侵害・損害・因果関係」の4点。

  • 他の条文(714条〜)は709条の例外や補強である。

  • 常に考えるべきは「誰が責任を負うのか」という視点。


今日は全体像を掴むことで、これから学習する各論点の「立ち位置」が見えてきました。明日は、4つの要件の中でも特に議論になりやすい「因果関係」について深掘りしていこうと思います!


📌 次回(1月8日)予告

「因果関係って結局なに?事実的因果関係と相当因果関係」


今日もお疲れさまでした!