
不法行為法シリーズも、いよいよ民法709条の核心部分である「故意・過失」にやってきました。ここをマスターすれば、不法行為の半分を制したと言っても過言ではない……はず!
今日は特に、実務や試験で問われる「過失」の本質について整理しました。条文にはさらっと書かれていますが、深掘りすると非常に論理的な構造になっています。
「過失」と聞くと、単なる「不注意」や「うっかり」をイメージしますが、法律学(特に答案作成)においては、それを「注意義務違反」と言い換えるのが鉄則です。
では、その注意義務とは具体的に何を指すのか。これを分解すると、次の2つの要素にたどり着きます。
「その行為をしたら、あんな損害が起きるかもしれない」と事前に予測できたかどうかです。全く予想もつかないような超常現象的な出来事まで責任を負わされることはありません。
「予見できたとして、それを避けるための手段があったか」という点です。予見はできていても、物理的にどうしようもなかった(回避不能だった)のであれば、注意義務違反を問うのは酷だ、という考え方です。
記述式の問題などで「過失がある」と書きたいときは、「〜という結果を予見でき、かつ、〜という措置を講じることで結果を回避できたにもかかわらず、これを怠った」というセットで書けると、一気に答案が締まると感じました。
注意義務を考える上で外せないのが、「注意の基準」の話です。不法行為法では基本的に「抽象的過失」といって、その人の職業や地位において一般的に期待される注意力が基準になります。
場面によって、求められるハードルの高さが変わることを意識しておくだけで、事例問題の読み解き方が変わってきます。
今日の学習で一番の気づきは、過失の定義を丸暗記するよりも、「答案でそのまま使える言い回しを自分のものにする」のが正解だということです。
「注意義務を怠り……」で終わらせるのではなく、「予見可能性」と「結果回避可能性」というキーワードを使いこなす。これが行政書士試験の記述式や、将来の実務で説得力のある文章を書くための第一歩なのだと身が引き締まる思いです。
少しずつですが、709条の部品が揃ってきました。明日は、これらが揃っても責任を負わなくて済むケース、つまり「責任能力」について学んでいきたいと思います!
今日もお疲れさまでした!