今日からは、行政法の学習において避けては通れない重要テーマ「行政裁量(ぎょうせいさいりょう)」について学んでいきます。
行政裁量とは、一言で言えば「法律がすべてを細かく決めず、行政庁に判断の幅(

今日は、行政裁量が認められる場合に、裁判所がどこまでその内容に踏み込めるのかという「司法審査(しほうしんさ)」の限界について整理しました。
原則として、裁量がある事案では、行政庁が専門的な見地から「Aが良い」と判断したなら、裁判所が「いや、Bの方が良い」と自分の意見を押し付けることはできません。しかし、行政の自由が「無制限」であってもいけません。
行政事件訴訟法30条には、「裁量権の範囲を越え、又はその濫用があった場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる」と書かれています。
つまり、「判断の内容がベストか」ではなく、「判断のプロセスや枠組みがルール違反ではないか」をチェックするのです。
裁判所は、行政の判断が以下の状態に陥っていないかを見ます。
行政に裁量を与えるのは、「より良い行政」を行わせるためであって、「役人の好き勝手」を許すためではありません。法の支配のもとでは、どんなに広い自由(裁量)であっても、常に「合理性」という見えない鎖で繋がれているのです。