1月9日 不法行為法③ 違法性は「権利侵害」から「保護利益侵害」へ

1月9日 不法行為法③ 違法性は「権利侵害」から「保護利益侵害」へ

「権利」だけじゃない?不法行為の「違法性」を深掘りする


不法行為法シリーズも3日目に入りました。今日は、民法709条の要件の中でも、損害賠償を認めるかどうかのフィルターとなる「違法性」について整理しました。


正直、勉強を始める前の僕のイメージでは、「法律で決まっている『権利』が侵害されない限り、賠償なんて請求できないんじゃないの?」と思っていました。でも、実はもっと広い視点で考えられているんですよね。


「権利侵害」から「法律上保護される利益」へ


昔の民法では、厳格に「権利」が侵害された場合に限るという考え方が強かったそうです。しかし、現代の解釈(および改正後の条文)では、もっと柔軟に捉えられています。




重要なのは、明文化された「所有権」や「債権」といった権利だけでなく、「法律上保護される利益」が侵害されれば不法行為になり得るという点です。


具体的にどんな利益が含まれる?


例えば、以下のようなものが挙げられます。これらは「権利」とは言い切りにくい側面もありますが、侵害されれば当然「ひどい!」となりますよね。



  • 名誉やプライバシー:私生活を勝手に公開されたり、評判を落とされたりする場合。

  • 営業の利益:不当な妨害によって商売を邪魔された場合。

  • 景観や静穏:住環境の平穏を著しく害された場合。


行政書士試験の記述式や論文を想定すると、単に「違法性がある」と書くのではなく、「何が(どの利益が)侵害されたのか」を具体的に特定して記述することが、得点を伸ばすポイントだと感じました。


セットで押さえるべき「違法性阻却事由」


一方で、相手に損害を与えてしまったとしても、例外的に「それは仕方ないよね」と判断され、違法性が否定される場合があります。これが違法性阻却事由です。




特に出題されやすいのが、民法720条に規定されている以下の2つです。



  • 正当防衛(1項):他人の不法行為から、自分や他人の権利を守るためにやむを得ずした行為。

  • 緊急避難(2項):他人の物から生じた急迫の危難を避けるために、その物を壊してしまった場合など。


これ以外にも、「業務による正当な行為」「被害者の承諾」などがありますが、試験対策としては「条文の要件にしっかり当てはまっているか」を短くてもいいから検討する姿勢を大事にしたいです。


今日のまとめ



  • 不法行為は「権利侵害」だけでなく、広く「法律上保護される利益の侵害」で成立する。

  • 答案では「侵害された利益の特定」を丁寧に行う。

  • 形式的に要件を満たしても、正当防衛や緊急避難があれば違法性は否定される。


今日は不法行為の「入り口」から一歩踏み込んで、実務的な判断基準に触れられた気がします。明日は、さらに論点が複雑になる「過失」や「責任能力」について学んでいこうと思います!


今日もお疲れさまでした。