1月18日  債権法⑤ 不可分債権の効力――相対的効力と絶対的効力事由を整理する。

1月18日  債権法⑤ 不可分債権の効力――相対的効力と絶対的効力事由を整理する。

多数当事者の債権関係、その本丸である連帯債務について整理しました。


連帯債務は、債務者の誰か一人が全額の責任を負うという、債権者にとって非常に強力な武器になります。一方で、受験生にとっては「誰に起きた出来事が、どこまで影響するのか(絶対効・相対効)」の判断が一番の難所です。


連帯債務の基本:全員が「全額」の責任を負う


連帯債務とは、複数の債務者が同一内容の給付について、各自が独立して全額を支払う義務を負う関係です(民法436条)。債権者は、債務者のうちの一人に対しても、あるいは全員に対しても、同時でも順次でも、全額の請求ができます。




債権者からすれば、「一番お金を持っていそうな人に全額請求する」という戦略が取れるため、非常に回収の安全性が高い仕組みです。これが「一番強い外部構造」と呼ばれる理由ですね。


「外と内の切り分け」が理解のカギ


今日一番の気づきは、連帯債務を考えるときは「外部関係」「内部関係」を完全に分けて考えるべきだということです。



  • 外部関係(債権者 vs 債務者):誰でも全額払わなければならない、逃げ場のない関係。

  • 内部関係(債務者 vs 債務者):誰かが全額払った後に、「お前の分も俺が肩代わりしたんだから返せよ」と精算する関係。これが求償権です。




絶対的効力と相対的効力の整理


連帯債務では、「一人の債務者に生じた事由は、他の債務者に影響しない(相対的効力)」のが大原則です。ただし、例外として「絶対的効力」を持つ事由がいくつかあります。


特に重要なのは以下の4つです。これらが起きると、一人の行動で全員の債務が消滅します。



  1. 弁済:誰かが全額払えば、債権者の目的は達成されるので、全員が義務を免れます。

  2. 更改:古い契約を消して新しい契約を結んだ場合、全員の旧債務が消えます。

  3. 相殺:一人が債権者に対して持っている自分の債権で相殺すれば、全員の債務が消えます。

  4. 混同:債務者が債権者を相続した場合など、権利と義務が一人に帰属すれば、全員の債務が消えます。


今日のまとめ



  • 連帯債務は、債権者にとって「最強の回収ツール」

  • 外部的には「各自が全額」の重い責任を負う。

  • 内部的には「負担部分」に応じた求償で、最終的な損を公平に分ける。

  • 「誰が誰に対して何を言えるのか」を整理するときは、常に外か内かを意識する。


連帯債務を整理したことで、多数当事者の関係性が一気に立体的に見えてきました。明日は、この支払いが終わった後の精算の話、「求償権」の詳細(特に通知を忘れたときのペナルティなど)について深掘りしていこうと思います!


今日もお疲れさまでした!